SESってそんなに悪い?|熊本ITエンジニアよしハムコロリとSES
こんにちは。熊本でITエンジニアをしている、よしハムコロリと申します。
私は、熊本のIT企業(従業員数10~20人規模)で25年以上働いています。職場は熊本だけです。25年以上のうち約15年は、いわゆるSES(エスイーエス、システムエンジニアリングサービス)という契約形態で働いています。この記事を書いている2025年7月時点でもSESでとある顧客企業で働いています。
SNSなどにおいて「SESはやめとけ」「スキルがつかない」などの否定的な意見を多く見かけます。また、AIの進化に伴い、今後はSESの規模も変化してくるのではないかと思います。でも、私はSESという働き方は嫌いではありません。むしろ、私にはどちらかと言うと合っているのかなと思っています。
今回は、そんな私の経験を通して、SESの良さなどについてお伝えできたらと思います。あくまで中小企業に所属する私の経験に基づく主観ですので、その点はご了承ください。
そもそもSESってなんだ
冒頭にも書きましたが、SESとは、エンジニアが顧客企業の現場に常駐したりして技術支援を行う契約形態のことを指します。顧客企業側からは「協力会社」、「BP(ビーピー、ビジネスパートナー)」と呼ばれることがあります。企業同士の契約は「準委任契約」が基本となり、成果物ではなく「作業時間」に対して報酬が支払われます。
私がSESで良いと思うところ
色々な会社を知ることができる
SESでは現場に常駐することが多いので、色々な会社やその業界を知ることができます。年上の方年下の方問わず新しい人との出会いなどもあります。私がSESを良いと思う最大の点です。かといって別に積極的にコミュニケーションを取る方でもないのですが。現場ごとに違った空気があり、新鮮な気持ちになれます(良い顧客企業の場合ですが…)。
私は熊本でしか仕事をしたことが無いので別のところで身近な人の情報を聞いたりすることもあります。
その他、大手企業の仕組みを垣間見ることで、自社にも活かせそうなことを自社に提案することもあります(当然機密情報に該当しないものです)。
なかなか関われないプロジェクトで仕事ができる
SESで行く顧客企業は比較的大手の企業が多いので、人数が多かったり、大型のプロジェクト(以下、PJと書きます)に入れる場合があります。大規模なサービスのAPIを使うPJだったり、先進的な技術を扱うものだったりと、自社ではなかなかできないことを経験できることがあります。作業内容も仕組みも多種多様です。いきなり放り込まれると結構大変ですが、色々な経験を得ることができます。
関連企業の動向を得ることができる
自社を離れて顧客企業で仕事をしますので、他社の方と関わることが多いので、同業他社であったり、対外的な情報を得る機会が多いです。こと熊本に関しては、世間が狭くて、良い噂も悪い噂も出回るのが早い早い…。
自社に行かなくて良い
これは人や会社に寄ると思いますが、顧客企業に行っているときは、自社の面倒事から解放される場合があります。これは企業側からするとマイナスの点になりますが、顧客企業に行っていると自社への帰属意識が薄れがちになる傾向があります。
私がSESで悩ましいと思うところ
現場により業務が限定的だったり、上流工程などができない場合がある
「配属ガチャ」とも言われるかもしれませんが、顧客企業によっては、自分がやりたいことができなかったり、自分がやりたくないことをやらないといけない場合があります。テストだけの作業だったり、上流工程には加われなかったりする場合もあります。ここが一般的に「SESはやめとけ」と言われる所以と思います。
自社と比べてしまうときがある
SESで行く顧客企業は比較的大手の企業が多いですが、会社の仕組みだったり、福利厚生、給与、賞与など…自分の会社と比べてしまうことがあります。
現場の社員さんとの壁、線引きを感じるときがある
社員さんと協力会社のメンバーとでは当然待遇が異なりますので、見えない壁みたいなものを感じることがあります。オフィスまでの駐車場が遠かったり、利用可能な施設が制限されていたりする場合があります。当たり前なんですけどね。
SESは私の性分に向いているのかも
私は決して、積極的にコミュニケーションを取る方ではありません。でも、顧客企業で仕事をするのはあまり嫌ではありません。うまく説明できないのですが、自分の性分に合っているのかなと思います。SESは「郷に入っては郷に従え」が基本的に求められると思います。これができないと長くいることは難しいと思います。私は性格的に割と忠誠心が強めだったり、ルールを守るのをあまり苦に思う方ではありません(とんがった部分が無いってことかな)。そのような点から私はSESのような契約形態での仕事が向いているのかもしれません。
僕がSESという働き方を続けている最大の理由は、「現場作業が好き」という気持ちです。
コードを書くのも、障害を解決するのも、お客さんの声を聞きながら改善を繰り返すのも、全部楽しい。華やかではなくても、ひとつひとつ手を動かして仕上げていくのが、自分にはしっくり来るんです。
「SES=消耗するだけの働き方」と決めつけられることも多いですが、僕はそんなことはないと思っています。地道に積み重ねてきた経験は、自分にとって確かな土台になっているからです。
これからSESを目指す人へ
配属先などに大きく左右されることはありますが、SESでは多種多様な経験を積めると思います。短期間で複数の企業のSESを行う場合もありますし、数年以上同じ企業で行うSESもあります。「多種多様なことをやる場合があること」、「地味な作業を継続する場合があること」、「色んな人との出会いがあること」を大きく苦に思わない場合はSESでやっていけると思います。あと、先にも述べましたが、SESでは長く続ける場合は、基本的に「郷に入っては郷に従え」だったり「協調性」が求められると思いますので、頭の片隅に置いておくと良いと思います。
業務の範囲にもよりますが、最初は限定的な作業だったとしても、地道に行っていくことで、他の作業やさらに上のレベルの作業を任される場合もあります。ベテランや知見のある人という位置にいけたらとても重宝されると思います。私はとある顧客企業で、最初は不具合修正係として色んな不具合をちまちま修正して、そこからシステム全体の知見を増やして、最終的にPJの知見者の立ち位置になったことがあります。
また、長年資格試験に興味を示さなかった私も、IPAの高度試験に合格できるようにしてくださったのもSESの顧客企業のおかげです。これは私の今後のキャリアにとても大きな点となっており、とても感謝しています。
おわりに
SESについて今回も取り留めない話となりましたが、いかがでしたでしょうか。文章力はまだまだ上げていきたいと思います。語れば話はつきませんが、気になったところや役立ったところなどがありましたら、コメントやお問い合わせをいただけたら幸いです。最後に、ご寄付も募っていますので、もし共感いただけましたらよろしくお願いいたします。
コメント